ものづくりだより252号
おはようございます。溶接管理技術者の上村昌也です。
今回は薄物のアルミトランクケースのご案内です。
アルミトランクケースのつくりかた
材料
A5052 板厚1.6mm W=550 D=380 H=250
側面と底の部分がR形状になっています。
工法
定尺材からレーザにてカットします。
続きましてリベットカシメの為の皿加工やタップ穴加工です。
一通り終えたら曲げ加工に移ります。
大きいRなので寸法が出しずらいです。試作で寸法値を確認後
製作していきます。
溶接法
溶接部は完全溶け込み(裏波)になる様に慎重に作業を進めていきました。
歪も大きく出ますので、拘束治具等で一工夫し、最小限に抑えました。
溶接パラメータ
電源装置:Panasonic YC-300BP4 交流
溶接電流: 100A
交流周波数:200Hz
溶加棒: A5356BY φ2.4,3.2
電極: 純タングステン
シールドガス : Ar
予熱 : NA
まとめ
何と言っても薄板で、角部がR30と大きいため、寸法公差が出しずら
かったかったことと、溶接による変形を抑える事に若干苦労をしました。
写真では写っていないのですが、突き合わせ部分は気密完全溶け込みで
グラインダー仕上げによる強度等の心配はありません。
本品は上下に重なり合い、気密性を要求されています。
よって、ねじれやガタつきはNGとなります。
そのためには曲げ及び溶接後の精度が厳しく要求されます。
また、内部の円周上には同形状のリブが外観は変わった形状の補強がリベット
にてカシメられていて、なかなかの手間のいる作業でした。
下の画像は、サイズがかなりおおきくなりW=1380 D=380 H=150
外観及び内部構造はほとんど変わらないのですが、難易度はかなり
上がりました。
加工上の傷を軽くスコッチ等で位上げて完成です。次工程は表面処理で
塗装となります。
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